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震災・忘れないでください。
〜私と震災 ごく私的体験記3〜
◆「震災を知らない」という方に
地震から7年(起稿基準)が経ち、「震災を知らない」という方もずいぶんと増えてきました。ここは、そういう方に読んでいただければと思います。
次の数字について、どう思われますか。
○死者 6,432名
○行方不明者 3名
○負傷者 43,792名
○被害家屋 512,882棟(460,355世帯)
うち全壊(全焼)家屋 104,906棟(186,175世帯)
半壊(半焼)家屋 144,274棟(274,180世帯)
○断水家屋 127万戸
○ガス供給停止家屋 85万7,000戸
○停電家屋 約260万戸
○電話不通障害 30万回線超
これは、阪神・淡路大震災の被害実態です。6,000人という方が、震災や震災に関連して亡くなられているんです。ただ、実際を知らない方には、ピンと来ない数だろうと思います。しかし、この死者数のひとつひとつが、それぞれの人格を持った一人の人だったんですよね。
就寝中、いきなり家屋が倒壊して、訳も分からぬうちに圧死された方。
倒壊した家屋の中から聞こえる無数の「助けて」という声。
家屋の下敷きになって逃げ出せず、生きたまま焼け死なざるをえなかった方。
火の粉をかぶりながら必死で助けようとする幼い我が子に、瓦礫の下から母が残した最期の言葉「もういいから逃げなさい」
家族を助けようとしたがどうしても助け出すことができず、迫る猛火を前に泣く泣くそこを去らざるをえなかった方。
「みんな大変な思いをしとんや。俺らが助けたらんかったら、誰が助けるんや」と、無理を押して災害復旧につとめ、過労のあまり若くして力尽きられた方。
もし、これらの事が、あなた自身や、あなたの周りで起こったら、あなたは、どう思いますか。
これらは被災地などで、いずれも大事な方を亡くされた方から伺った話です。私は何も出来ず、「やり切れない思い」というものを、何度もしました。
これらのことを、決して他人事と思わないでください。日本に住んでいる限り、地震からは逃れることは出来ません。亡くなられた方・被災された方が残してくれたものを、教訓として学び取ってください。
◆被災された方に
阪神・淡路大震災で被害を受けられた方には心よりお見舞い申し上げます。
不意に、嫌な思いをさせてしまったり、あの時を思い出させてしまったかもしれません。
あの時、失ったものは数知れないかもしれません。家、財産、そして大切な人・・・。思い出すのも嫌なことばかりだと思います。しかし、すべてが瓦礫と化した中で、みなさんは本当に頑張っておられました。
私がいくら言葉を並べたてても、悲しみは尽きないでしょうし、また苦しみが和らぐこともないと思います。「何を言っているんだ」とお怒りになるかもしれません。けれども、苦しみ・悲しみに耐えたあの時の頑張りを決して忘れないでください。これから先も、辛いことがあろうかと思います。そんなときでも「あのときあれだけ頑張ったんだから」と思えるようになれるよう、みなさんを応援していきたいと思います。頑張ってください。
◆最後に
これから、災害で苦しみ・悲しみに暮れる人が一人でも少なくなりますよう。
阪神・淡路大震災で被災された方の将来が、希望に満ちたものでありますよう。

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